ミスミG vs TRUSCO中山|MRO・製造業調達の違いを2026年4〜6月期で比較
| 2026年4〜6月 | ミスミG | TRUSCO中山 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,314.40億円 | 約912.43億円 |
| 営業利益 | 178.37億円 | 約64.83億円 |
| 営業利益率 | 13.6% | 約7.1% |
| 主な事業モデル | メーカー+流通 | 卸売+在庫・物流 |
| デジタル調達の柱 | VONA・meviy・Fictiv等 | eビジネス・MROサプライ等 |
ミスミは会社公表の2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結値。TRUSCO中山の4〜6月単独値は、2026年1〜6月累計値から1〜3月期を差し引いた当サイト計算です。
1. 同じ4〜6月で見ると売上規模はミスミが大きい
ミスミの2026年4〜6月期売上高は1,314.40億円でした。TRUSCO中山は上期累計1,782.04億円から第1四半期869.61億円を差し引くと、4〜6月単独では約912.43億円です。
同じ3か月で比べると、ミスミが約402億円上回ります。ただし両社は商流上の立ち位置が異なるため、売上規模だけで単純に優劣を決めるべきではありません。
2. 営業利益率は13.6%対約7.1%
ミスミの営業利益は178.37億円、営業利益率は13.6%。TRUSCO中山は上期累計124.83億円から1〜3月期60.00億円を差し引くと、4〜6月の営業利益は約64.83億円で、営業利益率は約7.1%です。
利益率には約6.5ポイントの差があります。ミスミは自社ブランド製品・FA部品・金型部品と流通事業を組み合わせる一方、TRUSCO中山は多数の仕入先の商品を在庫し、販売店やEC企業へ卸す物流型のビジネスモデルです。この違いが利益構造にも表れます。
3. ミスミは「メーカー+流通」のハイブリッド
ミスミはFA事業、金型部品事業、VONA事業を展開しています。2026年4〜6月期のVONA事業売上高は556.79億円、営業利益は67.76億円でした。
VONAはミスミブランド以外の他社製品も含め、製造・自動化関連設備部品やMRO(消耗品)などを販売する流通事業です。一方でFA部品や金型部品ではメーカー機能も持つため、単純な卸売会社とは異なります。
また、meviyによる3Dデータからの即時見積もりや、Fictivを含むオンライン加工など、設計・加工工程までデジタル化する方向へ領域を広げています。
4. TRUSCO中山は「在庫と物流」が中核
TRUSCO中山は工場用副資材の卸売を中核とし、機械工具商などへのファクトリールート、通販企業や電子購買向けのeビジネスルート、ホームセンタールートなどを持ちます。
2026年1〜6月のeビジネスルート売上高は448.42億円で、前年同期比+19.4%。全社売上に占める構成比は25.2%まで高まっています。ファクトリールートの売上高は1,162.11億円で、依然として最大の販売ルートです。
約62万アイテム規模の在庫と物流センター網、得意先システムとの連携を活用し、納期短縮やユーザー直送を提供する点がTRUSCO中山の特徴です。
5. デジタル調達でも役割が違う
- ミスミ:設計データ、部品選定、見積もり、加工、発注までをデジタルで短縮する方向。
- TRUSCO中山:在庫・商品データ・物流をデジタル接続し、販売店や通販企業の供給能力を高める方向。
両社とも製造業の調達DXを成長機会としていますが、ミスミは設計・製造工程により深く入り込み、TRUSCO中山は流通インフラとして商品の即納性を高める戦略です。
したがって「ミスミとトラスコは競合か」という問いには、一部のMRO・間接材領域では重なるものの、バリューチェーン上の役割はかなり異なる、と整理するのが適切です。
6. 成長率を見るとミスミはAI・半導体需要を取り込む
ミスミの2026年4〜6月期は売上高が前年同期比32.3%増、営業利益が85.3%増でした。会社はAI関連投資を背景とするデータセンター・半導体関連需要、自動車関連需要の一部持ち直し、Fictivやmeviyなどデジタル施策を成長要因として挙げています。
TRUSCO中山は2026年1〜6月累計で売上高が前年同期比12.6%増、営業利益が5.6%増。売上は伸びていますが、新物流センターや基幹システムへの投資に伴う減価償却費などが利益面に影響しています。
成長率は、ミスミが4〜6月単独、TRUSCO中山が1〜6月累計の会社公表値であり、完全な同期間比較ではありません。
7. 最新の通期会社予想
| 最新会社予想 | ミスミG | TRUSCO中山 |
|---|---|---|
| 対象期 | 2027年3月期 | 2026年12月期 |
| 売上高 | 5,320億円 | 3,500億円 |
| 営業利益 | 670億円 | 225.8億円 |
| 予想営業利益率 | 約12.6% | 約6.5% |
決算期が3か月ずれるため通期予想は完全な同期間比較ではありません。ミスミは2026年7月31日に通期営業利益予想を上方修正。TRUSCO中山も2026年8月7日に売上高・営業利益の通期予算を上方修正しています。
8. 比較の要点
- 収益性:2026年4〜6月の営業利益率はミスミ13.6%、TRUSCO中山約7.1%。
- 事業構造:ミスミはメーカー+流通、TRUSCO中山は卸売+物流が中核。
- デジタル戦略:ミスミは設計・加工まで、TRUSCO中山は在庫・配送・購買連携を強化。
- MRO:ミスミのVONAとTRUSCO中山のeビジネスなど、一部領域では重なりがある。
- 投資の見方:短期利益率だけでなく、デジタル基盤・物流設備への投資効果を継続確認する必要がある。
両社を比較すると、「製造業の調達を効率化する」という方向は共通していますが、ミスミは設計・製造部品まで踏み込む垂直型、TRUSCO中山は幅広い商品を在庫・物流でつなぐ流通インフラ型という違いが見えてきます。
一次資料
2026年8月31日時点で確認できる会社公表資料を使用。TRUSCO中山の4〜6月単独値、営業利益率など当サイト計算値はその旨を明記しています。
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